高年齢者雇用!知っておきたい平成29年度助成金

生涯現役社会に向けて、高年齢者を積極採用する会社や、定年引上げ・廃止、職場環境整備などの雇用継続を推進する会社、有期雇用の高年齢者の無期雇用転換を推進する会社に対しては助成金の支給対象となる場合があります。今回は高年齢者雇用に関する助成金について紹介します。

高年齢者を新規雇用する場合

新規雇用する労働者の年齢層別に助成金を紹介します。

65歳以上

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)

雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により、1年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

主な要件
  • 雇入れ日の満年齢が65歳以上
  • ハローワーク等により紹介された離職者であること
  • 1年以上継続して雇用することが確実であること
  • 雇用保険の高年齢被保険者に加入させていること
助成額

1人あたり70万円(中小企業以外60万円)

短時間労働者(週20時間以上30時間未満)は50万円(中小企業以外40万円)

詳しくは

厚生労働省ホームページをご確認ください。

60歳以上65歳未満

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

高年齢者(60~64歳)や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

主な要件
  • 雇入れ日の満年齢が60歳以上65歳未満
  • ハローワーク等により紹介された離職者であること
  • 2年以上継続して雇用することが確実であること
  • 雇用保険の一般被保険者に加入させていること
助成額

高年齢者(60~64歳)1人あたり60万円(中小企業以外50万円)

短時間労働者(週20時間以上30時間未満)は40万円(中小企業以外30万円)

詳しくは

厚生労働省ホームページをご確認ください。

求人募集の際の注意点

雇用対策法第10条で募集・採用について、年齢にかかわらず均等な機会の確保が会社に義務づけられていますが、求人募集で対象者の年齢制限を設けることが例外的に認められる場合があります。

例えば、60歳以上の高年齢者の雇用を促進する国の施策(助成金)の対象者に限定して募集・採用することが認められています。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の対象者として、60歳以上65歳未満の方を募集

は認められますが、

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の対象者として、55歳以上65歳未満の方を募集

は認められませんので、助成金を意識した求人募集をする時にはご注意下さい。

求人の年齢制限禁止の例外

求人の年齢制限禁止の例外について、詳しくは厚生労働省ホームページをご確認ください。

雇用継続を推進する場合

65歳以上

65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)

65歳以上への定年引上げ等の取組みを実施した事業主に対して助成されます。

主な要件
  • 支給申請日の前日時点で1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いること
  • 就業規則等により、以下のいずれかの制度を実施し、就業規則を労働基準監督署へ届け出ること。
    • 65歳以上への定年の引上げ
    • 定年の定めの廃止
    • 希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
  • 就業規則により定年の引上げ等を実施する場合は社会保険労務士等の専門家に就業規則の改正を委託し経費を支出すること
助成額

定年年齢の引き上げ幅や対象となる人数などに応じて、10万円~145万円

詳しくは

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構ホームページをご確認ください。

60歳以上

65歳超雇用推進助成金(高年齢者雇用環境整備支援コース)

機械設備の導入、雇用管理制度の導入などについて予め認定を受けた雇用環境整備計画に基づき高年齢者雇用環境整備措置を実施した事業主に助成されます。また、生産性を向上させた事業主は助成金が割増されます。

主な要件
  • 機械設備の導入、雇用管理制度の導入などについて、雇用環境整備計画の認定を受けること
  • 下記いずれかの高年齢者雇用環境整備の措置を行うこと
    • 機械設備、作業方法又は作業環境の導入又は改善による既存の職場又は職務における高年齢者の雇用の機会の増大
    • 高年齢者の雇用の機会を増大するための能力開発、能力評価、賃金体系、労働時間等の雇用管理制度の見直し又は導入及び医師又は歯科医師による健康診断を実施するための制度の導入
  • 支給申請日の前日時点で1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いること
助成額

対象となる経費の60%(中小企業以外は45%)
もしくは
60歳以上の雇用保険被保険者1人あたり285,000円、のどちらか少ない額

生産性要件を満たしている場合は、
対象となる経費の75%(中小企業以外は60%)
もしくは
60歳以上の雇用保険被保険者1人あたり360,000円、のどちらか少ない額

詳しくは

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構ホームページをご確認ください。

50歳以上定年年齢未満

65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)

50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を、あらかじめ認定された無期雇用転換計画に基づき、無期雇用労働者に転換させた事業主に対して国の予算の範囲内で助成金が支給されます。また、生産性を向上させた事業主は助成金が割増されます。

主な要件
  • 有期雇用から無期雇用転換を就業規則に規定していること
  • 次の高年齢者雇用管理に関する措置を1つ以上実施していること
    • 職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
    • 作業施設・方法の改善
    • 健康管理、安全衛生の配慮
    • 職域の拡大
    • 知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
    • 賃金体系の見直し
    • 勤務時間制度の弾力化
  • 予め無期雇用転換計画書の認定を受けること
  • 対象労働者の雇用期間が転換日において通算して6か月以上5年以内で50 歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者であること(雇用保険被保険者であるかどうかは問わない)
  • 無期雇用労働者に転換した日以降、雇用保険被保険者としていること
  • 転換した無期雇用労働者を65 歳以上まで雇用する見込みであること
助成額

対象者10名を上限に、1人あたり480,000円(中小企業以外は380,000円)

生産性要件を満たしている場合は、
対象者10名を上限に、1人あたり600,000円(中小企業以外は480,000円)

詳しくは

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構ホームページをご確認ください。

有期雇用から無期雇用へ転換する場合は65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)とよく似た助成金にキャリアアップ助成金(正社員化コース)が良く知られていますが、有期雇用から無期雇用への転換の助成金は次の通りです。

1人当たり285,000円(中小企業以外は213,750円)

生産性要件を満たしている場合は、
1人当たり360,000円(中小企業以外は270,000円)

有期雇用から無期雇用に転換を検討している従業員が50歳以上の場合は、キャリアアップ助成金よりも65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)の方高い金額です。

有期雇用から正規雇用へ転換する場合はキャリアアップ助成金

ただし、有期雇用から正規雇用に転換する場合はキャリアアップ助成金の方が高い金額です。

1人当たり570,000円(中小企業以外は427,500円)

生産性要件を満たしている場合は、
1人当たり720,000円(中小企業以外は540,000円)

詳しくは

キャリアアップ助成金について詳しくは厚生労働省ホームページをご確認ください。

むすび

助成金を受給するためには、事前の計画書提出、計画書承認の後に助成金に係る取り組みを行い、定められた支給申請期間内に申請しなければなりません。

助成額や申請・受給の条件が随時変更される場合がありますので、行政が発表する最新の情報に照らして取り組んで頂きたいと思います。