勤務間インターバル制度を導入するときの5つのポイント

長時間労働による過労死・過労自殺が社会問題となる中、勤務間に一定時間の休息時間(睡眠時間)を設ける「勤務間インターバル制度」の導入により、長時間労働の抑制、心身の疲労回復、健康維持などに留意しつつ、より生産性の高い働き方を意識することができるのではないでしょうか。今回は、長時間労働削減への取り組みと合わせて検討したい勤務間インターバル制度を導入するときのポイントについて説明します。

勤務間インターバル制度とは

勤務間インターバル制度とは、勤務終了後、一定時間以上の「休息期間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するものです。

制度導入にあたり決めておくこと

就業規則や労使協定で制度を定めます。

1. インターバル時間
2. 終業時刻から次の始業時刻の休息時間がインターバル時間に満たない場合の措置
3. 適用除外
4. 健康配慮措置
5. 連続勤務時間の上限

1. インターバル時間

平成29年10月現在の法令ではインターバル時間の定めはありませんので、会社が任意に決めることができます。

参考までに、国内における勤務間インターバルの導入状況について、平成27年度厚生労働省委託事業の「過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業」によると、勤務間インターバル制度を導入している39企業が設定しているインターバル時間(確実に確保しなければならない時間)は多い順に次の通りです。

1位 7時間超 8時間以下(28.2%)
2位 12時間超(15.4%)
3位 11時間超 12時間以下(12.8%)
4位 10時間超 11時間以下(7.7%)、5時間以下(7.7%)

2. 終業時刻から次の始業時刻の休息時間がインターバル時間に満たない場合の措置

もし終業時刻が遅い時間になり、翌日の始業時刻までの時間でインターバル時間を確保できない場合の措置について決めておきます。

1)休息時間と翌日の所定労働時間が重複する時間を労働時間とみなす
2)翌日の始業時刻をインターバル時間の満了時刻まで繰り下げ、翌日の終業時刻も同様に繰り下げる
3)ある時刻以降の残業を禁止し、翌日の始業時刻以前の勤務を認めない

上記1)~3)は通常の労働時間制度を前提に考えたものですが、一方、フレックスタイム制度や裁量労働制などの労働時間制度と勤務間インターバル制度の併用も考えられます。

また、仮にインターバル時間を確保できなかったとしても、就業規則で罰則規定をつけることは制度の主旨になじまないと思います。

3. 適用除外

天災事変、システム障害対応などの突発的なトラブルなどによりインターバル時間を確保できない場合の適用除外について明記しておいた方がトラブル予防になると思います。

4. 健康配慮措置

在社時間が一定時間を超えた場合、勤務間インターバルと取れない場合が一定の基準を超えた場合などに、医師の面接指導を受けさせるなどの健康配慮措置を設けることが望ましいと思います。

5. 連続勤務時間の上限

健康配慮の点から、連続勤務時間の上限を定めることも望ましいと思います。

改正労働基準法案の高度プロフェッショナル制度の要件とされている健康確保措置の勤務間インターバル制度では、「始業時刻から24時間以内に休息時間を設けること(改正労働基準法案 第41条の2第4号イ)」とされています。

むすび

上記の「過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業」によると、

1,743企業のうち、勤務間インターバル制度を導入している企業は、
39企業(2.2%)のみ

導入していない1,654企業のうち、
導入に前向き(「導入する予定である」「導入の是非を検討したい」)な企業は8.6%で、
導入に否定的な「導入の是非を検討する予定はない」と回答した企業は60.5%でした。

導入に否定的な回答をした理由については本調査では分かりませんが、
そもそも勤務間インターバル制度を必要とするような長時間労働が無いからかもしれません。

実態として長時間労働が無かったとしても、会社が勤務間の休息時間の確保を約束するということは、労働者が十分な生活時間や睡眠時間を確保でき、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働き続けることができるようになると思います。