試用期間の長さの決め方!暦月数か実労働時間数か?

試用期間の長さは一般的に3か月程度で、会社によって、あるいは採用した人によって異なります。例えば3か月の試用期間で週5日働く人と週1日働く人とでは、本採用の可否を判断するための情報量が単純に時間ベースで考えても5倍ほど違います。週5日働く人と週1日働く人とで、試用期間の長さを一律に暦月数で決めることが妥当でしょうか?今回は試用期間の長さの決め方について説明します。

試用期間とは

採用後に従業員としての適格性を観察・評価し、ミスマッチを避けるために、まずは期間の定めの無い雇用契約で採用するものの、本採用とはせずに、一定の期間、試験的に雇用するという企業が設けた期間のことを試用期間とよんでいます。

しかし、この試験的な雇用において使用者がミスマッチであると判断すれば本採用されないため、労働者にとっては、試用期間とは不安定な地位にある期間となります。よって、試用期間を設ける場合には、予め期限を定めなければなりません。

試用期間の長さは自由に決められる?

試用期間の長さについて、現行の労働基準法には定めがありません。よって、基本的には自由に決められます。しかし試用期間は労働者にとって不安定な期間であることから、労働者とのミスマッチを判断するために必要な合理的な範囲を超えた長期の試用期間は公序良俗に反して、超えた部分については無効と判断されます(名古屋地判 昭和59年3月23日 ブラザー工業事件)。

では、どこまでが合理的な範囲かと言えば、試用期間を1年間と定めた場合については、1年が長すぎるから無効であるという取扱いはなされない(大阪高判 昭和45年7月10日 大阪読売新聞社事件)。

一般的に企業において、試用期間の長さを3か月や6か月と就業規則や雇用契約書に定める場合が多いです。暦月数ではなく、暦日数90日、実労働日数90日、あるいは実労働時間数480時間とすることについては、不当に長期間でない限り、差し支えないと考えます。

むすび

最近ではフルタイム正社員だけではなく、多様な働き方として短時間労働者や少ないシフト日数の労働者が増えてきています。試用期間の長さの決め方は、フルタイム正社員を前提にしたこれまでの暦月数という考え方にとらわれず、使用者が労働者の適格性を観察・評価するために必要な期間として、どのように定めるのがよいかを考えるきっかけになればと思います。