求人に関する社会保険・労働保険のトラブル事例!社保完備とは?

求人票の内容に係る苦情などの統計より、「社会保険・労働保険に関すること」が一定割合存在します。厚生労働省の統計調査「ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」によると、平成27年では767件で全体の7%、平成28年度は646件でこちらも全体の7%でした。今回は、求人に関する社会保険・労働保険のトラブル事例について紹介します。

社会保険・労働保険に加入されない

本採用後に加入すると言われた

試用期間中であっても、保険加入の要件を満たす限り、加入させなければなりません。

労災保険…全労働者

雇用保険…所定労働時間が週20時間以上かつ31日以上雇用見込みのある労働者

健康保険・厚生年金保険…所定労働時間が正社員の約3/4以上かつ一定期間(※)を超え雇用される労働者

(※)厚生年金の被保険者とされない人は次の通りですが、一定期間を超えて雇用される場合は「常時使用」とみなされ被保険者となります。

被保険者とされない人 被保険者となる場合
日々雇入れられる人 1か月を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となる
2か月以内の期間を定めて使用される人 所定の期間を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となる
所在地が一定しない事業所に使用される人 いかなる場合も被保険者とならない
季節的業務(4か月以内)に使用される人 継続して4か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる
臨時的事業の事業所(6か月以内)に使用される人 継続して6か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる

法人なのに、労働保険・社会保険に加入していない

労働保険(労災保険+雇用保険)は、労働者を一人でも雇用した場合に加入することを事業主に義務付けています。

応募しようと思っている会社が労働保険の適用事業場であるかどうか、厚生労働省のホームページ「労働保険適用事業場検索」で調べることができます。

社会保険(健康保険+厚生年金保険)の適用事業所となるのは、株式会社などの法人の事業所です。法人の場合、代表取締役一人だけの一人法人であっても適用事業所となります。

また、個人事業主についても従業員が常時5人以上いれば一部の業種(農林漁業、サービス業など)を除いて適用事業所となります。

社会保険完備と書いていたのに社会保険完備ではなかった

社会保険完備とは、「労災保険」「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」の4種全てに加入することです。

このような事例がありました。

求人情報に「社保完備」と書いてあったのに、面接で「国民健康保険組合」のことだと言われた。

一見、健康保険に入っているから「社保完備」なのでは?と勘違いしてしまいがちですが、同業の事業者を組合員として組織する「医師国保」「建築土木国保」「理容国保」等の健康保険組合は「社会保険完備」には含まれません。

むすび

業務中や通勤途中の事故やケガを保障する労災保険、退職後すぐに就職先が見つからない時の生活の保障となる雇用保険、業務外の病気やケガを保障する健康保険、老後や障害を負ったとき、そして万一の時の残された家族の社会保障となる厚生年金保険、このような社会のセーフティネットの充実があると、従業員は安心して働けると思います。求職者が誤解しないような表現をするように留意しましょう。